2008年11月26日
『外国人の定住と日本語教育』、『社会言語学』第8号の書評にて塚原信行先生に取りあげていただきました。
以下は書評の一部です。
『社会言語学』第8号(2008年「社会言語学」刊行会) 書評より引用
……本書は、外国人の定住という社会現象を契機に、こうした本質的な問いを突きつけられた日本語教育からの一つの答えであり、言語教育に内在する社会性や政治性を無視/軽視する姿勢への異議申し立てと捉えることもできる。
こうした異議申し立ては、社会言語学が本来的に備えている側面である(そうでない「社会言語学」も散見されるが)。その意味において、本書は、すぐれて社会言語学的な書物となっており、日本語教育関係者だけでなく、言語教育に関わる者すべてにとっての有用性を備えている。言語教育に関わる者にとっては、自らが関わる○○語教育を起点に、本書と同程度の論の広がりを視野に入れることができるのかを自問することも有益であろう。
本書の視座と水準が、「日本語教育プロパーのテーマ」と認識されること、さらに、言語教育一般における「常識」となることを望む。
(塚原信行)