本書は、学習院大学教授、中島平三氏の本年8月の還暦を祝し、氏と交友の深い研究者や教え子たち36名が寄稿して編まれた記念論文集である。久野すすむ、Richard Kayne, Henk van Riemsdijk, Luigi Rizzi, 北川千里、北川善久らの海外からの論考に加え、今井邦彦、外池滋生、澤田治美、長谷川信子、池内正幸らにより、英語、日本語、および他言語の統語的、意味的、語用論的諸現象が鋭く分析されている。また、音韻現象や言語習得、英語の歴史に関する論考も含まれ、中島氏の交友の広さを示すだけでなく、言語科学の真髄に迫ろうとする意欲的な1冊である。