『市民の日本語』お詫びと訂正

本書169ページの土木学会と倫理規定の記述に、事実誤認がありましたので訂正させていただきます。

筆者の文面では、「倫理規定」がなかったことになっていますが、日本土木学会は1938年に「土木技術者の信条および実践要綱」を策定しています。そしてそれを社会環境の変化と時代の要請に対応し、「現在および将来の土木技術者が担うべき使命と責任の重大さを認識し」て、1999年に改訂し、「土木技術者の倫理規定」を作っています。

筆者が学会で聞いた話は、この改訂に伴う議論の一部でした。つまり、実践要綱はあったけれども、不充分なので改訂し、倫理規定を策定したということだと思います。細部の事実未確認のまま不充分な記述をしてしまったことを、日本土木学会はじめ関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

筆者の論旨は、倫理規定があるだけではなく、社会の目や市民・NPOとの連携がなければ、倫理規定を実際に機能させることや、技術者が職業上の誇りを獲得することは困難であるというものです。

2002年9月13日

                                加藤哲夫